と言ってもぶっちゃけ全部ルートの話すると面倒なので世界観の話だけ。
というか世界観だけの話だけでいいだろ。
えろいっ!
サブヒロインにまで水着やパジャマ差分あるんだからかなり力入れてるんだろうな。
まぁいきなり核心の話をすると、晴彦は現実世界で死んでいた。
そしてアキは『晴彦を生き返らせること』を望み、星彩学園に飛ばされた。
アキを出迎えたのはミナミさんであり理事長。
「ここで願えば望みが叶う」
例え死んだ人間を生き返らせることでも。
ただし死者を生き返らせるのは膨大な力が必要。
そう、この学園の支配者になるほどの魔力。
つまり、魔女になることが必要条件。
しかし魔女になるということはこの学園に縛られるということ。
それを聞きアキは迷っていた。
学園に縛られるということに? 違う。
アキの望みは『晴彦を生き返らせること』だが、晴彦自身はそれを望むか?
晴彦はアキに『元の世界で幸せに暮らしてほしい』と望むだろう。だからこそアキが好きになったのだ。
理事長は再び告げる。それならどちらにするか選んだらいい。記憶を失った状態で。
これが物語の始まりだった。
ハルはアキの魔力が無意識に産んだ存在。
晴彦と同じオズの本を手に持ち、他の世界の記憶(ルートごとの記憶)を読むことによってどんなことが起きていたのか知っていた。
そこにはその世界の晴彦の手紙もあり、『そこの俺の手助けをしてくれ』と書いてある。
アキが無意識に望んだからこそ、学生時代のハルの姿で現れた。
もしアキが魔女になろうとした時、止める存在として。
現実世界でも晴彦はアキより年上だったらしい。
その全ての始まりの始まりは晴彦とアキの世界の未来から始まる。
ミナミさんと呼ばれることになる少女は、生まれつき魔女の力を持っていた。
未来を見通すその力は彼女を苦しめた。
彼女が見る世界は必ず滅んでいたから。
『世界を滅ぼす存在などなくなればいい!』
彼女が願った、全ての始まりの始まりの望み。
世界はそれを聞き入れて。
それが星彩学園を生み出した。
この学園は魔女を閉じ込める檻。
世界を滅ぼすことのできる、可能性を持つ者を呼び寄せ、閉じ込める。
それが魔女候補。
戦争世界にいたフユは一人で世界を壊せるくらいの戦闘技術を持つ。
幻想世界にいたアブリルはそのカリスマ性と統率能力で世界を滅ぼせる。
電脳世界にいた夏乃はその知能と好奇心から全ての技術を吸収し世界を潰せる。
現実世界にいたアキは生まれながらにして強大な魔力を持ち世界を狂わせる。
アブリルルートでは日常に慣れ過ぎて学園が維持できなくなり他の生徒が消えていく。
そしてバッドエンドではそれを回避するために過去に戻るが……。
夏乃は膨大な知識力のせいで悩と身体がついてこなくなり、永遠の眠りにつこうとするが。
最初は認めていた晴彦も可能性を潰すことになると元の世界へ卒業させる。
魔女の面々だってそうだ。
西野さんはフユの世界とリンクし、西野さんのせいで世界戦争が起こった。
北山さんはアブリルの世界とリンクし、悪の大魔道師であり、一人の女のためにアブリルの世界に魔物を召喚した。
アズマさんは夏乃の世界とリンクし、叡智を知りたいと願い、その望みが叶って元の世界に戻った。
戻った後、その知力を惜しみなく使い、人間が苦を感じない、機械が管理する世界を作った。
その事が原因で人間世界を滅ぼす魔女と認定されて星彩学園に飛ばされた。
その時、西野さんが先生としてアズマさんを卒業さえたのだ。
西野さんが『先生になる』と言った晴彦に興味を覚え、アズマさんと仲が良く、アズマさんが学生服だったのはそのため。
世界観の話はこんな感じかな。
それでグランドルートのアキルートでは彼女達4人を卒業させる。
この辺もよかったんだよ。
フユはやはり晴彦のような教師になることを目指し。
アブリルは人と魔物の共存できる世界を目指し。
夏乃は全ての世界を回れる機械を作ることを目指し。
そしてアキは……、晴彦がいない世界で、晴彦の子供と一緒に暮らすことを目指す。
晴彦にも願いがあった。
それは死ぬ間際に願った『アキを幸せにしたい』という願いではない。
『死にたくない』『幸せになってほしい』ではなく『幸せにしたい』。
そんな強い想いが西野さんの目に留まりこの学園に呼ばれたわけだが。
晴彦の肉体はもう死んでいて、今は仮初の身体に魂が入ってる状態。
願いが叶ったとしても、元の世界に戻ってもそこには死が待っているだけ。
だからこそ、アキの『晴彦を生き返らせたい』という願いを跳ね除けた。
もし生き返ったら二人の晴彦が存在することになるから。
もう晴彦とアキの願いは叶った。
この世界、この場所、この星彩学園で、晴彦は生き返り、
この世界、この場所、この星彩学園で、アキは幸せになった。
そこで生まれた晴彦の新しい願い。
フユから愛を教えてもらい。
アブリルから勇気を教えてもらい。
夏乃から知恵を教えてもらい。
晴彦が願ったことは、この学園にいる魔女も、影も全員卒業させること。
影の正体は魔女や魔女見習い。
だから、彼らも全員卒業させる。
もう知ってる者は誰もいない。
そんな教室の中で教鞭を取る。
多くの影は会話もできない。
だけど晴彦は彼らを導く。
だけど晴彦は彼らを卒業させる。
フユのように、アブリルのように、夏乃のように、アキのように。
西野さんのように、北山さんのように、アズマさんのように、ミナミさんのように。
そんな時、また新しい生徒が学園と現れた。
「それじゃあ、まずは名前を聞かせてくれないか?」
言うならサイトウケンジ先生風にアレンジした『クロスチャンネル』というところか。
あっちは元の世界に戻れたという考察ができる分、こっちは晴彦自身がずっと学園に残るという救いのないエンドだけど。
……。
………。
………………。
違うな。
晴彦自身が言ってくれたじゃないか。
ずっと待ってると。可能性は必ずあると。
だからすぐじゃなくても。遠い未来でも。
晴彦の元に、彼女達がちゃんと辿りつくだろう……。